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- Apprentice -
Y.S.PARKでは、スタイリストとしてお客様を担当していない、アシスタント スタッフを「 Apprentice = アプリンタス 」と呼びます。
ほとんどの人が、この仕事を志して、専門学校で学び、若干20歳そこそこで、アプリンタスとして、この仕事に従事します。
そこからスタイリストとしての技術やお客様対応などを学ぶのですが、昨今、家庭での躾、学校での教育のあり方も、以前とくらべ、ずいぶんと変わったように思います。時代背景や、受けてきた教育方針などが、少し変わったことにより、社会に出て仕事をするにあたって、良い面もありますが、苦労をする面も多々あるのではないでしょうか。
美容業界だけではなく、どの業界も同じだとおもいますが、仕事の内容というよりは、まず「挨拶」や「礼」について。「一般常識」や「言葉使い」「気遣い」から教えていかなければなりません。
20歳すぎてから、はじめて「 挨拶や礼 」、「 言葉使い 」をおぼえ始めなければならない人もいますので、日常の中で習慣化するまで、ほんとうに大変だと思います。
もちろん、良い面もたくさんありますので、努力成長をし、一日でもはやく、世の中の役にたってもらいたいと思う次第です。
- 見ることの重要性 -
ヘアデザインは、作り上げる「 創造力 」が一番大切です。創造力を身につけるには、とにかく「 見る 」ことが重要です。
はるか昔、この仕事に従事したてのアプリンタス時代。
「 仕事は見ておぼえなさい。 」「 先輩の仕事を見て盗みなさい。 」
とよく言われたものです。
技術はとくに、聞いてもあまり詳しく、たとえば、学校のように、マンツーマンで、丁寧に教えてもらえるような環境ではなかったように思います。
また、当たり前に、それがプロの職場だと思っていました。
もちろん教えていただいてはいましたが、それは、普段からよく見ていることが前提で、見ていなければ教えていただいても理解できないことばかりでした。
何を教えて頂いていたかというと、その方がたくさんの経験からつかみ得たことを伝承、継承していただく。それが「 教えてもらう 」ということだったのではと思います。
事前に、意味が分からなくても、画像として、しっかりと頭の中に焼きつける。そのために、基本は、常日頃から「見る」ことが大切なのだと思います。
教えていただいた、長年の実践経験からつかみ得た、百戦錬磨のその技術は、少しの隙もありませんし、どの本を見てものっていないことです。現場でつちかわれた技術ということは、イコールお客様に支持をされている技術ですので、即戦力で、とにかく説得力があります。
まさに、教えていただくたびに「 目からウロコ 」の毎日でした。
また、聞かないことは一生の恥というぐらいですので、積極的に質問はしましたが、最終的な質問の答えは、決まって「 よく見てなさい。」でした。
仕事でミスをすると、「 普段から、見ていないからだ。」と叱られます。
それではと、見て見て見まくる、穴があくほど見る。そうして、もう目をつぶっても映像が見えるくらいに、イヤというほど見てやっと少しつかむ程度でした。
そうやって仕事をおぼえていったものです。
現代は、親切な参考書、Webでは好きな時にワンクリックで検索でき、いくらでも、すぐに情報を得ることができますので大変便利になりました。
しかし、その反面で仕事を見なくても、体験しなくても、すぐに答えを情報として収集できますし、体験をしていなくても、バーチャル体験ができますが、実践的ではありませんので、頭でっかちになりがちです。
その答えが本当に正しいのか、確かめもせずに鵜呑みにしてしまう。
インプットした情報も、確かめる間もなく、アウトプットする間もなく、次の情報に上書き、更新していきますので、自分の考えが固まる時間もありません。
発信する間はありませんから、受け身が当たり前になり、職場では、皆が情報を与えてもらう、「 してもらう 」ことが当たり前になっていくかもしれません。
「 してもらえない 」から自分が良くならなと、勘違いをしてしまう人も出てくるかもしれません。
どこの職場で、どのようにしてもらえるかもワンクリックで比較できます。
なにをしてもらえるかが重要ですので、自分の職場に愛着も生まれません。より良いものを与えてくれる環境を検索し、バイト探しのジプシーのように、さまよう人もたくさん出てくるのかもしれません。
そうなると、職場は、バイト体験学校のようですから、自らの実践経験の中で模索をし、つかみとる「 自分なりの答え 」を見つけることや、「 見ることによって学ぶこと。創造力 」をつちかうことが、難しくなってきます。
このことは、ものを創造する者にとって、非常に重要な問題であると思います。
- 見るための成長過程 -
見るということにも段階があります。
まず、第一段階では、「 勝手に見る。」「 好きに見る。」ことです。見ているものに、直感的に勝手な思い入れをし、喜びを感じるような見方です。これは、子供のような感性で見るということでしょうが、そこには、そのもの自体の質や他との比較はありません。
つぎの段階では、見たものを比較をして、質的に良いかどうか考えるようになります。「 美しい 」ものかどうか判断するには、他にも「 美しい 」ものを知らなければなりません。
つぎの段階では、見たものが「 本物 」かどうかを考えるようになります。そこには、見ているものよりも、それを作っている、作り手の表現している内容や、作り手の思想までを含めて見るようになります。
そして、そのつぎには、意図的に他のものと比較をし、ヘアデザインの場合でしたら、時代や流行の様式、季節の様式、素材の様式、プロセスの様式など、そして、作り手と買い手の個人様式まで考え、比較をして見るようになるのです。
最終的には、その全ての段階で身についた「 目利き 」を元に、見たものの価値を決めるようになります。何が正解とかそのようなことではなく、価値感という問題ですので、これは、実体験を積み、積み得た英知の結晶です。誰かに教えてもらえるようなことではありません。
自分の中で価値観が身につき、それが「 普遍的な価値感 」になって、はじめて、見る体験が「 創造 」を生むちからになっていきます。
普遍的な価値感を身につけてこそ、見ることにより感動が生まれますし、人々を感動させられるものを作れるのではないか、と思います。
なぜ、「よく見ていなさい。」といわれていたのか。
先の先輩方は、理屈ではなく、実体験でそれを知っていたのだと思います。
どんなに時代が変わっても、人間の本質的な部分は絶対に変わらないものであると思います。
昔から、物作りにおいても、出来上がったものは、作った人の「 心 」が反映されるといわれています。
これからも、心を高め、より良いものを作り、いろいろな人の役に立てるようにしていきます。
Keisuke Moriyama
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